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マンション購入とリノベーションの記録
by tomandkaro
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メモ帳
ライフログ
茶室の木を見に行く
この冬いちばんの冷え込みの夜、仕事を終えて松戸へ向かう。

Hが紹介してくれた材木屋さんに、茶室用の木材を見に行くのだ。
茶室の地板や床の間の落とし掛け、にじり口の板戸といった木の部分は、正直なところどんなふうに決めればよいのかわからなかった私。そこへHが、実際に材木屋に木を見に行こうと提案してくれたのである。それはいいと早速その提案に従うことにした訳だ。

H、工務店のOさんと私の3人を出迎えてくれた社長のNさんは、意外にもまだ30代かと思われる青年だった。着くとまず、なぜか用意されているカツ丼をすすめられる。気遣いに恐縮しながらいただいたが、これがとても重要な食事だったことはあとで判明(理由は後述)。

食べ終わると外に出て、いよいよ用意してもらった木材を見る。
まず最初は地板から。ケヤキ、赤松、ヤニ松といった材料が並べられていて、Nさんが解説をしてくれるのだが、とにかく木に対するあふれんばかりの愛情が話の端々から感じられて、われわれも気がついたら材料選びに熱中していた。

結局地板に選んだのはヤニ松の板。赤い部分と白い部分(これを赤身と白太と呼ぶことはNさんに教えてもらった。ほかにも木表と木裏の違いや木を選ぶときのポイントなど、今日はいろんなことを教わりました)がうまく入り混じっていて、木目に動きがあるところが気に入った。このヤニ松材は、Nさんが子供のころから店にあったのを、わざわざ製材してくれたのだという。そんな話を聞くと急にこちらもその材に対する愛情が湧いてくる。板を決めたら木目や色を見ながらその板のどの部分を使うのかを決めて、やっと地板の材選びが完了。

地板の次はにじり口の板戸と腰板の材料選び。
こちらはNさんのすすめで秋田杉を使うことにし、何枚も並べられた板から木目を見ながら必要な7枚を選ぶ。これもNさんのすすめで両端の白太の部分を落とし、中央の赤身の所だけを使うことにする。建具の枠や落とし掛けも赤身の材として統一をはかることにした。板は木表がうづくり(木目を浮き上がらせる仕上げ)になっているのでその面を見えるほうにし、Nさんに見てもらって木の根元のほうが下になるように使うことを決めた。これも板のどの部分を使うかを木目を見ながら決めて終了。

最後に洗面のカウンターは集成材を使うことにし(これは後日サンプルを送ってもらうことにした)、今日の木材選びがやっと終了。かかった時間はなんと3時間以上(!)。体がすっかり冷えきってしまい、これでもしさっきのカツ丼を食べていなかったら、とてももたなかっただろうなと、あらためてNさんの配慮に感謝したのだった。

それにしても木というのはおもしろい。
木目のひとつひとつに表情があり、色味もそれぞれに違う。それを見ながらどうやって使おうかと考えるのはとても楽しい作業だった。この作業をしたおかげで、ますます茶室に愛情が持てるようになったと思う。楽しい一夜だった(寒かったけど)。
この機会を与えてくれたHと、素人同然の我々にいろいろなことを教えてくれたNさんに感謝。
by tomandkaro | 2012-02-02 19:00 | 工事
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